むかし読んだ本:恋愛経済学

むかし読んだ本:「恋愛経済学」

勝間和代著 扶桑社)

 

最近またバラエティなどに登場している勝間和代さんが2011年に出版したのがこちら、「恋愛経済学」。

経済評論家が書いた「恋愛本」ということで、かなり異色です。「恋愛論」というと、ロマンチックな部分もあるかと思いきや、そんな要素は皆無です。まさか、恋愛本で「M&A」だとか「アービトラージ」とか出てくるとは思わないんですけど、「恋愛」と「経済学」をかけあわせると、こんなことになってしまうという…ていうか「アービトラージ」ってなんですか??

はっきり言って、身もふたもない内容が多いんですが、経済学的に見れば、恋愛ってこういうものじゃないの、それでもやっぱり、よりよい恋愛したいよね、というメッセージが込められています。

この本の中で私が気になったところのひとつは、恋愛ビジネスを「レモン市場」にたとえているところ。そもそも「レモン市場」とは何ぞやということもこの本で初めて知ったんですが、レモンとは、英語のスラングで、「中古車」のこと。レモン市場の理論は、「中古車として市場に出回っているなら、何か欠陥があるのだろう」という推定が働いて、いい状態の中古車も最低な中古車と同じ価格に近付いてしまう、というものだそうですが、恋愛市場に応用すると、「結婚しないでいる人は、何かダメな理由があるのだろう」という推定が働く、ということなんですね。決してそんな人ばかりではないと思うんですが、ずっと独身でいる人に対してそういう風に考えてしまう人も少なからずいるのも事実です。ああ恐ろしい。

さらに、結婚の話でいうと、今は男女比がマッチしなくなっている理由として、女性が求める年収600万の男性が、結婚適齢期の男性のたった4%しかいなくなってしまったから、なんだそうで、女性は高望みをしている限り、一生結婚なんてできなくなってしまう、というわけなんですね。でも、私も、自分の周りを見ていると、高望みというか年収などにこだわっている人は、いつまでもそこから抜けられないでいるみたいですね。

とまあ、こんな感じで現実を突きつけられるような恐ろしい本なんですが、そもそもこの本が生まれたきっかけというのは、作詞家でAKB48の生みの親でもある、秋元康さんが、勝間さんに「恋愛本を書いてみてはどうか」と持ちかけたことからなんだそう。
巻末の勝間さんと秋元さんの対談で、秋元さんいわく「なんでもできちゃいそうな勝間和代が不得意そうなテーマ」ということで、「恋愛はやっぱりわかりませんでした」という本を期待してたら、やっぱり恋愛まで理論と分析で解き明かそうとされてしまったという…

まあ、どれだけ分析しようが、恋愛は自分と相手が対峙するものだから、どこまで考えてもやっぱりわからないものではあると思います。

わからないから、面白い、面白いというと語弊がありますけど、やっぱりハマっちゃうのが、恋愛、なんでしょうね…

 

 

 

恋愛経済学

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